関節リウマチは、免疫の異常によって関節滑膜に炎症が生じ、関節腫脹・疼痛・変形を起こす疾患です。
主な症状は関節の痛み・腫脹・朝のこわばり、全身の症状として微熱・全身倦怠感・食欲低下を認めます。
またドライアイ、口の中の乾燥を訴えるシェーグレン症候群を合併することがあります。
女性が多く、30~50歳代で発症することが多いのですが、近年では65歳以上で発症する高齢発症関節リウマチも増えており、日本には60~100万人の患者さんがいると考えられています。
関節リウマチでは、滑膜に炎症が起こり、滑膜が増殖します。無治療のままでは関節中の骨や軟骨、腱が破壊され、関節が変形していきます。
現在は抗リウマチ薬の進歩によって、関節の痛みや炎症がない状態を維持することが可能になりました。
最近の研究では、関節破壊は、発症後の早期から進行することが明らかになりました。早期に発見して適切な治療を行えば、症状をコントロールして関節破壊が進行するのを防ぐことができます。
関節リウマチは血液検査だけでは診断できません。疼痛関節・腫脹関節の部位・数、リウマチ因子・抗CCP抗体の有無、炎症反応、持続期間、エコー、レントゲン、MRI検査などで総合的に判断します。
関節リウマチの治療薬には、痛みを和らげるための薬と免疫異常に働きかける抗リウマチ薬があります。関節リウマチの関節破壊は発症2年以内に急速に進行することが分かり、「寛解」という治療目標を設定し、早期から抗リウマチ薬によって治療することが推奨されています。
効果不十分の場合には生物学的製剤やJAK阻害薬を追加します。
以上の3つをいずれも満たすことを目標としています。
関節リウマチではないかと思ったら、早めにリウマチ専門医の診察を受けることをお勧めします。